サントリーホールディングスの新浪剛史社長の「45歳定年制」発言を受け、各方面から賛否の声があがりました。
45歳定年制自体は現実的ではありませんが、これは“会社勤めをしていればとりあえず何とかなる”といった、会社依存の人たちに向けた警告なのかもしれません。
「45歳定年制」つい本音が…サントリー新浪剛史社長
サントリーホールディングスの新浪剛史社長が、9月9日に行われた経済同友会の夏季セミナーにオンラインで参加し「45歳定年制を敷いて会社に頼らない姿勢が必要だ」と述べました。
日本の企業内には“社内失業者”と言われる「何の仕事もないただ居るだけの社員」が400万人(日本の全正社員の1割)もいるそうです。
そしてそのような存在価値の無い社員とは、大体が年功序列で出世しただけの中高年管理職が多いという事は安易に想像がつきます。
会社にとっては労働力にもなっていないのに給料だけは高い人たちです。
サントリーの従業員数は関連会社を含めると4万人ほど、その1割の4千人がそんな「何の仕事もないただ居るだけの社員」だとしたら…
今の世の中の仕組みを考えれば45歳定年制は現実的にありえないことですが、新浪社長もつい本音が出てしまったようです。
日本では一般的な、年齢とともに賃金が上昇するしくみについても「40歳か45歳で打ち止めにすればよい」と言ってしまったそうですから。
ひろゆきも正論「自力が無ければ生きていけない時代」
「2ちゃんねる」開設者のひろゆきもTBS系「サンデー・ジャポン」にリモート出演し、このことに触れました。
ひろゆき氏は「45歳定年制に反対している人って、無能だけど会社にしがみつきたい人だと思う」。また「社会保障を用意した上で『やめても暮らしていけるよ』ってした方が無能な人を切れるし、企業はもっと優秀な人を雇うことができる」と持論を展開した。
引用:日刊スポーツ
『やめても暮らしていけるよ』となると、その切られた“無能な人”が昼間からウロウロと増殖するような気もしますが…
企業側だけが得をして社会全体は歪んでしまいます。
また、ひろゆきはツイッターでこうも言っています。
「生活の為に会社にしがみ付けるのは大企業の正社員だけです。非正規雇用はサクッと切られますし、中小企業は辞めさせられます。」
これは正論ではないでしょうか、
これからは45歳とか年齢に関係なく、自力のない人は路頭に迷う時代になってしまうことでしょう。
サントリーホールディングスの新浪社長は45歳定年制を唱えたその日の会見で、「(定年を)45歳にすれば、30代、20代がみんな勉強するようになり、自分の人生を自分で考えるようになる」とも述べています。
40代、50代は不要だから自分で勉強して生きて行けと…
これが日本企業の常識となってしまう日もいつか来るかもしれません。
これからの40代はさらに地獄を見る可能性が
サントリーの新浪社長の発言も気になりますが、国は既に別の動きで先手を取っています。
今年の4月、企業に対して70歳までの就業機会確保を努力義務とする改正高齢者雇用安定法が施行された。これまでは65歳までの雇用義務だったが、4月1日以降は、70歳までの就業機会の確保が「努力義務」になった。現時点では「努力義務」に過ぎないが、大手企業にとっては義務化に近い内容といってよいだろう。
引用:ITメディア
この法律の施行によって、社員の在籍期間はさらに5年伸びるので、企業にとっては総人件費がさらに増える。筆者がおおまかに試算したところによると、70歳まで雇用を継続し、会社の総人件費を今の水準で維持しようとすると、40歳以降の昇給はほぼ不可能となる。
引用:ITメディア
40代以上の会社員といえば昔はそれなりに高給取りでした。(無能でも)
そのおかげで子供たちは金銭的な心配をすることも無く、希望する高校や大学へと進学できていた訳ですが、これからは働き盛りの親の収入が激減するわけですから、今までのように子供たちが行きたい学校へ進学することも儘ならなくなってしまいます。
お父さんが頑張らないと、子どもは進学をあきらめるか、自分で借金を抱えるしかない、そんな時代がもう目の前に迫っています。